診療案内

つらいことや嫌なことがあると誰でも一時的に気分が落ち込みますが、うつ病では重く沈んだ気持ちが長く続き、強い苦痛を伴います。

詳しくは、うつ病のページをご覧ください。

特定の状況や出来事など明確なストレス因子によって、日常生活に支障をきたすほどの気分の落ち込みや不安などの感情の変化をきたす状態を適応障害といいます。ストレスとなっているものがはっきりしているので、ストレス因子がなくなれば症状は改善します。その人にとってストレスに感じることが別の人ではストレスではなかったりと、個人の感じ方やストレスへの耐性の程度も影響します。ストレス因子が持続する場合には症状も慢性化します。

症状

抑うつ気分や涙もろさ、絶望感などの抑うつ症状、不安や動悸、神経過敏、焦燥感など不安症状、無断欠勤や過度の飲酒などの行動変化など多彩な症状がみられます。

治療

環境調整と精神療法が主に行われます。
ストレス因子がなくなれば改善に向かうので、会社での配置転換など環境の調整が行われます。
ストレスの対処能力(ストレス耐性)を高めるために認知行動療法などの精神療法が有用です。
薬物療法は根本的な治療ではなく、不眠や不安などの症状が強い時に一時的に薬が用いられることがあります。

人前で何かをする時に、過剰な不安や恐怖を感じ、社会生活に大きな支障をきたす障害です。
強い不安から動悸やふるえなど体の反応が生じ、身体的な反応を見られていると感じると不安が増強されてしまいます。人前での緊張は誰でもありますが、社交不安障害では苦痛の程度が強く、失敗しないように苦手な状況を避けて生活するため、人生に重大な影響をおよぼしてしまいます。家族や友人とは自然に振る舞うことができるため、身近な人は病気と気づかないことがあります。本人も性格だから仕方がないと諦めてしまい、受診しない人がたくさんいます。
適切な治療によって不安の軽減ができるので、ためらわずに受診をすることをおすすめします。

不安が生じる代表的な社会的状況

  • 人前での発言
    あらたまった場面でのスピーチやプレゼンテーション、会議での発言によって、強い緊張が生じ、言葉につまる、声や体がふるえる、動悸が生じるなど身体的な反応があらわれます。
  • 見知らぬ人やあまり親しくない人との会話
    強い緊張、周囲の視線が気になります。悪く思われたのではないかなど自分に対する周囲の評価が心配になります。自分の視線が相手を不快にしていると感じて、他人を見ることができないこともあります。
  • 人前で字を書く
    人から見られている時に字を書こうとすると、手がふるえてしまい、字がうまく書けなくなります(書痙)。
  • 人と食事をする
    食事の際に見られていると緊張してしまい、食べ物が喉を通らなくなります。吐き気が生じることもあります。
  • 電話
    電話での応対を周囲の人に聞かれてしまうことを恐れる人、電話での会話自体を恐れる人がいます。職場で電話が鳴るだけで強い不安が生じ、仕事に支障をきたします。
  • その他
    赤面や発汗、ふるえなど緊張によって生じた身体反応を恐れる、お腹の音やおならが出てしまうのではないかと不安になる、隣に人が立つと排尿ができなくなるなどがあります。

治療

薬物療法と精神療法が行われます。

  • 薬物療法


    SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

    第一に用いられる治療薬です。脳内のセロトニンの働きの乱れを修正することで、過剰な不安や恐怖が生じにくくなります。

    β遮断薬

    不安による交感神経の過剰な興奮を抑えることで、動悸やふるえなど身体症状が生じないように作用します。苦手な状況で服用します。

    抗不安薬

    GABAという神経伝達物質の働きを強めることで不安を軽減します。即効性があり、主に苦手な状況で使用します。

  • 精神療法

    認知行動療法や暴露反応妨害法を通じて、過度に自己否定的なとらえ方をしているなどかたよりのある思考のパターンを見直すことで、不安の軽減や回避的な行動パータンの変化をはかります。

大人の発達障害

最近、発達障害への社会的な関心が高まっています。青年期となってから発達障害を疑い、受診する人が増えています。発達障害は生まれつき脳の認知機能のかたよりがみられ、社会生活に困難が生じることがあります。小さい頃から特性がみられますが、社会に出てから苦手な部分が明らかとなり、発達障害とわかることがよくあります。発達障害の原因はまだよくわかっていませんが、親の養育態度が原因で起きる障害ではありません。うつ病やアルコール依存症などの二次的な精神障害をともなうことがあります。
発達障害はいくつかのタイプに分類されており、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動性障害、学習障害などが含まれます。同じ人に複数の発達障害が重なっていることもあります。
受診の際に、可能なかぎり出生から今までをよく知っているご家族に受診してもらうと確かな診断につながります。また発達障害についての理解や適切な接し方を知ってもらう良い機会となります。

自閉スペクトラム症(ASD)

イギリスの児童精神科医ローナ・ウィングは、自閉スペクトラム症の特徴として、社会性の障害、コミュニケーションの障害、想像力の障害をあげています(「三つ組の障害」)。この3つの視点でみると、自閉症スペクトラム障害について理解しやすくなります。「スペクトラム」とは「連続体」という意味です。この障害は「障害がある人」と「ない人」にくっきり分かれるものではありません。障害の特徴が「明確にある人」「少しある人」「ほんのわずかにある人」…といったように、境界がなく連続しているという意味で用いられています。自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群などをすべて含んだ概念になります。

社会性の障害

相手の気持ちを理解し、その場の雰囲気に適した言動をすることに困難があり、人とうまくかかわることができません。相手の立場を考えない、共感しない、マナーを理解しない、思い込みが激しいなどがみられます。

コミュニケーションの障害

話すことや表情によって表現することと相手の話を聞くことや表情で理解することの両方に困難がみられます。無表情で抑揚なく話したり、冗談や皮肉、お世辞が理解できず言葉の意味どおりに捉えてしまうことがあります。

想像力の障害

同じ行動、同じ手順を繰り返す、興味があるものが限定されるなど「こだわり」とよばれる行動がみられます。次に起きることを推測できず、ものごとの流れを読むことや見通しを持つことが難しいこと(想像力の障害)から生じると考えられます。変化に対して柔軟に対応できず、ひどく混乱した状態におちいることがあります。

感覚の異常

どんな音も同じ強さに聞こえて、聞きたい音に注意を向けることができず、騒音を嫌がる人がいます(聴覚過敏)。横目でものを見るなど視覚の異常、偏食の激しさなどの味覚異常などすべての感覚で変化がみられます。

診断と治療
  • 自閉スペクトラム症の特徴がどの程度あるのかを、心理検査等を通して知る
  • 必要に応じて社会技能訓練(SST)など社会心理的な治療を受ける
  • 苦手なことを過剰に頑張ろうとはしすぎず、得意なことに集中できる環境を作る
  • 必要に応じて自分の特徴を周囲に伝える

などが重要となります。二次障害を併存している場合は薬物療法が行われることがあります。

注意欠如・多動症(ADHD)

「不注意」「多動性」「衝動性」の3つを主な特徴とする発達障害です。注意欠陥・多動性障害とも呼ばれます。症状が子どもの頃から持続して存在し、その症状のために職場や家庭での生活がうまくいかない場合に診断されます。大人になるともともとの傾向は変わらないものの、症状の一部(特に「多動性」)が目立たなくなる人もいます。ADHDは意志の弱さやわがままな性格から生じるものではありません。詳しい原因はまだわかっていませんが、注意や行動をコントロールする脳の働き(実行機能)の弱さが関係していると考えられています。また脳の神経伝達物質であるドパミンやノルアドレナリンの働きが不足し、不注意や多動性が生じていると考えられています。

不注意

集中力が続かず、注意が散漫。
うっかりしたミスが多い、会議に集中できない、仕事を先延ばしにする、整理整頓ができない、忘れ物が多い、ものをよく失くす、スケジュール管理ができないなどの形であらわれます。

多動性

落ち着きなく、過活動。
じっとしているのが苦手、すぐに席を離れる、落ち着かない、貧乏ゆすりをする、しゃべりすぎるなどの形であらわれます。

衝動性

行動を抑えることができない。
思ったことをすぐに口にしてしまう、深く考えずに行動に移してしまう、順番をまてない、衝動買いなどの形であらわれます。

診断

DSM-5(アメリカ精神医学会『精神疾患の分類と診断の手引き』)の診断基準が用いられます。DSM-5に基づいた面接を行い、問診や心理検査の結果などを加味して診断を行います。

治療

治療はADHDの症状により、日常生活での困難さを減らすことを目的に行います。

  • 心理社会的治療

    環境調整や認知行動療法などが行われます。
    苦手なところを補うために「大事なものは忘れないようにバッグインバッグにまとめて入れておく」「スマートフォンのリマインダー等を使って、予定を忘れないようにする」「机の周りに余計なものは置かないようにし、気が散らないようにする」といったものがあります。「自分の苦手なこと」「得意なこと」の詳細を知り、「どういう状況で自分は能力を発揮できるのか」を理解していくことが大切となります。

  • 薬物療法

    ドパミンやノルアドレナリンの働きを高める作用をもつ薬剤がADHDの症状を改善します。大人のADHDではメチルフェニデート徐放剤やアトモキセチンが用いられます。ADHDの症状が抑えられ、過ごしやすさを感じることができます。服薬は生涯続くものではありません。良い習慣や生活の工夫が身につき、環境にうまく適応している状態が維持されていれば、服薬の終了を考えます。

双極性障害

双極性障害はうつ状態と躁状態をくり返す慢性の病気です。気分の変動は自分ではコントロールできず、日常生活に支障をきたします。
周囲の人が困るような発言や行動がみられ、入院が必要になるほどの激しい「躁状態」をともなう双極I型障害と、気分が高揚し意欲がわいて本人には調子が良いと感じられる「軽躁状態」をともなう双極II型障害に分類されます。
双極性障害では躁とうつの症状がくり返されますが、躁状態は比較的短い期間で終わり、うつ状態の方が長く続きます。不調となる時の多くがうつ状態であるため、診断がつきにくく、うつ病と診断されることがよくあります。双極性障害とうつ病では治療内容が異なるので、正しい診断を受けることが大切になります。

躁状態

  • 気分が高揚し、機嫌がよくなる
  • おしゃべりになる、話し続ける
  • 頭が早く回り、次々と多くの考えが浮かぶ
  • 活動的になって、たくさんのことをやり始める
  • 自分に過剰な自信をもつ、何でもできると思う
  • 睡眠をとらなくても疲れない
  • お金遣いが荒くなる、分別のない行動をしてしまう

うつ状態(うつ病と大きな違いはありません)

  • 気分が一日中落ち込む、良いことがあっても気分が晴れない
  • 何をしても楽しくない、何にも興味がわかない
  • 意欲がわかない、疲れやすい、思考力が落ちる
  • 自分には価値がないと感じる
  • 疲れているのに眠れない、あるいは眠りすぎてしまう
  • 食欲がない、何をたべてもおいしくない、食べすぎてしまう
  • 死にたくなる

治療

薬物療法が治療の中心となります。リチウム、ラモトリギン、バルプロ酸などの気分安定薬とアリピプラゾール、オランザピン、クエチアピンなどの非定型抗精神病薬が用いられます。
再発を防止するための維持療法が大変重要です。薬物療法の継続だけではなく、病気や治療の理解を深めること(心理教育)や規則正しい生活リズムを保つこと(社会リズム療法)などが役立ちます。

総合失調症

統合失調症とは、思考や感情がまとまりにくくなり、そのために本人が困難や苦痛を感じ、回復のために治療や援助を必要とする状態をさします。統合失調症の原因は解明されていませんが、脳の機能の変調と心理社会的ストレスが関係していると考えられています。およそ100人に1人がかかる頻度の高い病気です。10歳代後半から20歳代に発症することが多い病気です。

統合失調症では多彩な症状がみられます。症状は大きく、幻覚や妄想などないはずのものが出現する「陽性症状」、意欲の低下などの通常はある機能が低下する「陰性症状」に分けられます。

陽性症状

  • 幻覚
    現実にはないものがあるように感じられます。誰もいないのに声が聞こえてくる幻聴が多くみられます。批判や命令、監視している内容の声が聞こえてきます。声の内容で笑うことや幻聴と対話してひとり言をいうことがあります。
  • 妄想
    実際にはないことを事実と信じ込みます。周囲がいくら否定しても、訂正することができません。妄想が生じると、世の中のできごとを自分と関連付けてとらえるようになります。
    特定の団体からねらわれている、盗聴器で監視されている、ネットに自分の情報が流されているなど被害妄想がよくみられます。
  • 自我意識の障害
    自分と外の世界との境界が区別できなくなり、自分の考えが他人に伝わっている、自分の考えが他人に奪われている、他人の考えが吹き込まれる、自分の考えや行動が誰かに支配されていると感じます。
  • 思考(思路)の障害
    考えがまとまらず、話があちこちそれて、つじつまが合わないことを言います。悪化すると、会話が支離滅裂となり意思疎通が困難になります。考えが急に中断されて、言葉が出てこなくなってしまうこともあります。

陰性症状

  • 感情の鈍麻・平板化
    感情の動きが減り、喜怒哀楽を表現しなくなります。他人の気持ちに共感することが少なくなり、表情の変化も乏しくなります。
  • 意欲の減退
    勉強や仕事など何に対しても意欲がわかなくなり、周りのことに関心を示さなくなります。自発的に行動をしたり、活動を持続することが難しくなります。集中力も低下します。
  • 思考の低下
    思考力が低下し、会話の量が少なくなります。
    自閉的な生活:他人との関わりを避け、自室に閉じこもって何もせずに過ごす。
  • 自閉的な生活
    他人との関わりを避け、自室に閉じこもって何もせずに過ごす。

治療

早期の治療開始と再発予防のための治療の継続が大切となります。
統合失調症の治療は、薬物療法と心理社会的な治療を組み合わせて行います。 心理社会的な治療とは社会的リハビリテーション、生活技能訓練、作業療法などをさします。症状によって日常生活に大きな支障をきたしている場合には入院治療を検討します。
薬物療法では抗精神病薬が用いられます。抗精神病薬は陽性症状を改善する作用、興奮を抑える作用、陰性症状の改善をはかる作用をもっています。
服薬を中断すると多くの人が再発してしまいます。薬について主治医とよく相談しながら継続することが大切となります。1回の注射で効果が2~4週間続く持効性注射剤を利用すると服薬の負担をへらすことができます。

おかしなことだと思っていても、不合理な考えが頭から離れず、その考えをふりはらおうとして無意味な行いをくり返してしまう精神障害です。頭にこびりついてコントロールできない考えを強迫観念、どうしてもくり返してしまう行いを強迫行為と呼びます。強迫観念や強迫行為のために日常生活に大きな支障が生じます。

代表的な強迫症状

  • 不潔恐怖と洗浄強迫
    電車のつり革やドアノブなどを不潔と感じ恐れて触れることができず、唾液や排泄物の付着を恐れます。自分の手や体が汚れているという感覚から手洗いやシャワー、洗濯を繰り返します。
  • 加害恐怖
    車の運転中に人をはねてしまったのではないか、人ごみですれ違った人を傷つけてしまったのではないか、と何もしていないのに人に危害や迷惑を与えてしまったと恐れます。事件や事故になっていないか、もとの場所に戻って確かめたり、警察に電話をしたりします。
  • 確認強迫
    本当に鍵をかけたのか、電化製品のスイッチを切ったのか、トイレの水を流したのかなどと不安になり、何度も何度も確認します。
  • 縁起強迫
    不吉な考えやイメージが頭に浮かんで離れず、それを打ち消すための儀式的な行為を行います。
    普段と違うやり方をした時に悪いことがおきると不安になり、初めから手順をやり直します。
  • 不完全恐怖
    自分の秩序に従わないと不安となり、ものを順番通りに並べる、左右対称に配置するなどの行為がみられます。

家族を巻き込むことがある

強迫行為によって疲れてくると、自分の代わりに家族に強迫行為をさせる、家族にくり返し確認を求めるなどにより自分の負担を軽くしようとします。家族が協力するほど症状は悪化してしまいます。

治療

薬物療法と精神療法が行われます。

  • 薬物療法

    SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)によって不安や気分の落ち込みの改善をはかります。強迫性障害の治療では、うつ病の治療よりも高用量のSSRIを服用することが推奨されています。

  • 精神療法

    認知行動療法や曝露反応妨害法は薬物療法と同等の効果があるとされています。不安を感じる状況であっても強迫行為をしないことで、強迫行為なしでもなんとかなることやしばらくすると不安が減っていくことを体験して、認知や行動の修正をめざします。不安の程度を段階的に並べた表を作り、負担が少ない状況から取り組みます。当院では暴露反応妨害法による治療を積極的に行っています。

歯科心身症とは、実際には何の異常もないのに、歯や舌が痛む病気です。歯科的な治療の後に生じることが多く、罹患する人の多くは中高年の女性です。原因ははっきりとはしていませんが、神経の感覚器の誤作動と考えられています。
歯科心身症の中でも特に多いのは、「舌痛症」と「非定型歯痛」です。歯科医院でさまざまな検査を行っても異常が見つからない場合はこの病気の可能性があります。

症状

  • 舌尖部や舌辺縁部にヒリヒリする痛みや灼熱感が生じる
  • 何かに集中しているときは痛みを感じないことが多い
  • 食事やガム、飴で痛みが軽減することがある
  • 味覚障害はない
  • 消炎鎮痛剤が効かない

治療

抗うつ薬や抗精神病薬、抗てんかん薬には痛みを鎮める作用があり、これらを使った薬物療法を行います。
認知行動療法などの心理的な治療も有効性が報告されています。

前触れなく、動悸や息苦しさ、発汗などの体の不調が突然出現し、症状の激しさのため「このまま死んでしまうのではないか」「自分がおかしくなってしまうのではないか」と恐怖にかられる発作症状のことをパニック発作といいます。体の病気ではないので、検査をしても直接的な原因となる異常は見つかりません。
特に理由なく予期しないパニック発作がくり返して出現し、再び発作が生じるという持続的な不安(予期不安)や外出を避けるなど行動の変化がある場合、パニック障害と診断されます。

広場恐怖症

パニック発作や失禁のおそれなど大変な事態が生じた時に、すぐに脱出することができない、助けを求めることができないと感じる状況を恐れ、継続的に回避します。
電車、バス、飛行機など公共交通機関、人ごみや群衆の中にいる時、映画館など囲まれた場所、広い駐車場など開けた場所で強い不安や恐怖が生じます。苦手な場所で苦痛が強く、通勤や外出など日常生活に大きな支障をきたします。
パニック障害にともなって生じることもあります。

治療

薬物療法と精神療法が行われます。

  • 薬物療法

    SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が主に用いられます。脳内のセロトニンの働きを修正し、パニック発作や予期不安、広場恐怖を改善します。SSRIは効果の出現に2から4週間程度と時間がかかります。抗不安薬は即効性があり、パニック発作が生じた時や不安が生じる状況で応急的に服用します。

  • 精神療法

    薬物療法と精神療法を組み合わせることで、さらに高い効果の治療となります。心理教育や認知行動療法により、病気への理解を深め、不安を生む思考パターンの変化をはかります。呼吸法や自律訓練法などで不安の対処法を身につけます。不安をコントロールできるようになってきたら、恐怖を感じる状況に身を置くことで不安の克服をはかります(曝露療法)。

不眠症(不眠障害)とは、入眠困難、頻回の覚醒、早朝覚醒、覚醒後の再入眠困難など睡眠の問題が続き、日中の眠気やだるさ集中力の低下などこころと体にさまざまな不調が生じる睡眠障害です。成人の30%以上が何らかの不眠の問題をかかえているといわれています。不眠が続くと、うつ病などのこころの病気につながるだけでなく、糖尿病や高血圧症など生活習慣病のリスクを高めることがわかっています。

不眠の症状

  • 入眠障害
    寝付くまでに時間がかかり、なかなか寝付けない。不安など精神的な問題で生じやすい。
  • 中途覚醒
    夜中に目が覚め、起きてからもう一度眠ることができない。中高年に多い。
  • 早朝覚醒
    予定よりも早く目がさめてしまい、もう一度眠ることができない。高齢者に多い。

治療

不眠の症状

薬を使わない睡眠改善の工夫と薬による治療があります。

  • 非薬物療法
    睡眠衛生指導
    睡眠への正しい知識を身につけ、生活習慣を改善する。規則正しい生活を送る、日光浴をする、運動をする、眠くなってから床に入る、寝酒を避ける、夜間のカフェインなど刺激物をさける、8時間睡眠にこだわらないなど。
    認知療法
    不眠への不安や過剰な意識を減らす。
    行動療法
    睡眠時間制限法や刺激制御療法などを行う。
  • 薬物療法

薬の種類

  • GABA受容体作動薬
    ベンゾジアゼピン系睡眠薬、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬 GABAという神経伝達物質の働きを促し、睡眠に導きます。多くの睡眠薬がここに分類されます。
  • メラトニン受容体作動薬
    体内時計の調整に関与するメラトニン受容体に作用し、睡眠と覚醒のリズムを整え、睡眠を促します。
  • オレキシン受容体拮抗薬
    覚醒を維持する作用をもつオレキシンの働きを抑えることで、睡眠を促します。
  • 他の薬剤
    抗うつ薬や抗精神病薬のなかには睡眠の維持や睡眠深度の増加の作用をもつ薬剤があり、中途覚醒や早朝覚醒の改善に用いられます。
復職支援プログラム

復職支援プログラムとは、うつ病や適応障害などの治療のために休職された方の、職場復帰を支援する治療プログラムです。

プログラムの概要

プログラムは週5日、月曜~金曜の9:30~16:00に実施します。

午前(9:30~12:00)

集団でのグループワークを中心に行います。認知行動療法、ストレスマネージメント、マインドフルネス、アサーショントレーニングなどによりストレスへの対応力を高め、こころの健康を保つことができるようにサポートします。

午後(13:30~16:00)

実際の仕事の感覚や作業能力を回復するため、パソコンを使ったオフィスワークを行っていきます。

プログラムの概要

参加について

復職までに要する期間や回数は、個々人の状況により異なります。調子に合わせて参加する日数を決めていきましょう。
この復職支援プログラムは、当院に通院をされていない方でも利用していただくことが可能です。

実際のプログラム内容

  • ストレス・コーピング
    ストレスに対処するスキルを高めることを目指します。円滑なコミュニケーションができる技術を身に付け、対人関係でのストレスを減らします。
  • 集団認知行動療法
    抑うつ感や、不安を引き起こす思考や行動パターンに気付き、より柔軟な対応ができるようにしていきます。具体的には参加者同士のディスカッションなどを行います。
  • リラクゼーション法

    呼吸法、自律訓練法、筋弛緩法等のリラクゼーション法を習得することで、体のリラックスからこころのリラックスにつなげることを目指します。

  • 運動療法

    交感神経の活動を鎮め、ストレスによって生じる不調に有効とされるヨガを行い、ストレスの緩和や体力の回復をはかります。

  • グループワーク

    グループで課題に取り組み、話し合い・資料作成・発表を行います。周囲と協働して円滑に仕事をするスキルや、交渉する感覚を取り戻します。

  • 芸術療法

    作業に集中することによるストレス解消や、継続的に1つのことに取り組む力の回復、表現力の向上等を目指して行います。

  • オフィスワーク

    パソコンでの文書入力や資料作成、各種検定の学習等を通して、基礎的な作業能力の回復を目指し、実際の仕事の感覚を取り戻していきます。

薬物療法について

当院の薬物療法の考え方

合理的な薬物療法

研究や臨床精神薬理の知見から、理論的な薬剤と用量の選択を行っています。

シンプルな薬物療法

薬の種類はできるだけ減らし、必要なものだけを処方しています。

シェアード・ディシジョン・メイキング(SDM)

治療は薬物療法だけに頼らず、複数の選択肢の中から患者さんの希望や意思を反映しながら進めていくようにしています。

持効性注射薬

筋肉内に注射することで、効果が2週間から4週間続く、抗精神病薬の注射剤です。
2週間か4週間は薬の種類によって異なります。

持続性注射剤への切替により、

  • 服薬のわずらわしさがなくなる
  • のみ忘れによる症状の再発を防ぐことができ、症状が安定する

などのメリットがあります。

検査について

心理検査

  • ウェクスラー式成人知能検査(WAIS)、児童向けウェクスラー式知能検査(WISC)

    当院では主に発達障害の検査として用いています。下位検査項目の結果から得意なところと苦手なところなど認知機能のばらつきの評価を行います。

  • 親面接式自閉スペクトラム症評定尺度(PARS-TR)

    自閉スペクトラム症の発達・行動症状について母親に面接し、その有無と程度を評定する検査です。

  • 発達障害の特性別評価法(MSPA)

    発達障害の特性について、「コミュニケーション」「こだわり」「微細協調運動」「不注意」「多動性」「学習」など14の項目から多面的に評価し、レーダーチャートにまとめます。特性や支援が必要なポイントを視覚的にとらえることができます。

  • 作業能力検査

    内田クレペリン検査、ブルドン抹消検査により作業処理能力を評価しています。休職中の方の復職準備性の評価に用いています。

必要に応じて、自己記入式心理検査を行っています。

血液検査

身体の病気の有無によって治療方針が変わってくるため、血液検査を行います。長期的に薬を使用している方の場合、肝機能への影響や糖代謝のチェックにも使用します。

血中濃度モニタリング

炭酸リチウム、バルプロ酸などの気分安定薬を服用している方は、薬の血中濃度が適切な範囲にあるかを定期的に検査します。

心電図

抗生剤や抗不整脈薬、向精神薬などの薬によって、「QT延長症候群」という症状や心電図異常が現れることがあるため、念のため心電図検査を行っています。

簡易型終夜睡眠ポリグラフ検査

鼻呼吸、気道音(いびき)などの呼吸状態、動脈血酸素飽和度を一晩にわたり測定する検査です。携帯型の機器を持ち帰り、在宅で実施していただきます。重症睡眠時無呼吸症候群の方はCPAP(持続陽圧呼吸療法)を行います。

MRI、CT

精神症状は、脳梗塞、脳出血、脳腫瘍などによって引き起こされている場合があります。そのため、他の医療機関をご紹介の上、頭部MRIやCT検査を受けていただいております。

脳波

てんかん発作や脳の病変、頭部外傷、脳炎、肝性脳症などでも精神異常が起きる場合があるため、こうした疾患が疑われる場合には、他の医療機関にて検査を受けていただきます。

当院では通常の対面診察に加えて、オンラインでの診療をご利用いただけます。忙しくて受診ができない方、不安のため外出することが困難になっている方など定期的な通院が難しい方におすすめしております。

オンライン診療「クリニクス」

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