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周囲の方が不調に気付いた時も、早めの受診をすすめてください。
うつ病の原因はひとつではなく、環境的な要因や性格の傾向などさまざまな要因が重なり、結びついて生じると考えられています。感情や意欲に関わっているとされるセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンなどの神経伝達物質がうまく働かず、脳の機能的な不調からうつ病の症状が生じるとされています。
休養、薬物療法、精神療法が治療の柱となります。休職中の方には復職支援プログラムが役立ちます。
うつ病では心のエネルギーが低下し、体も不調となっています。何より必要なことは、心身を十分に休めることです。睡眠や食事をしっかりとり、心のエネルギーが回復してくるのを待ちます。症状が重い方や自宅でゆっくり休めない方は入院して休養することもあります。
うつ病では脳内の情報伝達がうまく機能していません。脳の不調を改善し、症状を軽減するには薬物療法が効果的です。抗うつ薬が薬物療法の中心となります。抗うつ薬にはSSRI(選択的セロトニン再取込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬)、NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)などがあり、症状に応じて抗不安薬や睡眠薬もあわせて用いられています。抗うつ薬は効果が現れるまでに少し時間がかかります。おおむね2週間くらいで改善を感じてきますので、一定期間継続することが大切です。最近の抗うつ薬は副作用が少ないものが中心ですが、胃腸症状や眠気などが生じることがあります。服薬して1週間ほどが副作用を感じやすく、その後は徐々におさまっていきます。副作用がつらい時には医師に相談してください。
うつ病や治療についての説明や日常生活についてのアドバイスを行います(支持的精神療法)。 うつ病の患者さんには、ものごとを否定的、悲観的に捉えやすい傾向があります。このため、自己否定しがちで、気分が落ち込みやすくなります。このような考え方の癖に気づき、ストレスを受けにくい、バランスの取れた考え方ができるようにしていくのが「認知行動療法」です。
症状の改善後もすぐに職場に戻ると、また状態が悪化してしまうことがあります。仕事に戻るためのリハビリテーションのためのプログラムです。心身の調子を整え、ストレスの対処法を学び、仕事の感覚を取り戻すことによって円滑な職場復帰につながります。
うつ病以外にも次のものがあります。
●気分変調症
気分の落ち込みや意欲の低下が2年以上持続します。うつ病よりも症状は軽度ですが、症状が長く続くので大変つらいです。薬物療法だけではなく、心理的な治療が必要となります。
●月経前不快気分障害(PMDD)
毎回月経前になると、重い気分の落ち込みや激しいいらいら感、腹痛、頭痛が生じ、月経となると心身の不調が改善します。月経前になると日常生活に支障をきたす、女性特有のうつ病です。抗うつ薬の効果がみられます。
●産後うつ病
出産をきっかけに生じるうつ病を産後うつ病といいます。出産をした女性の10-15%で、産後2週間~3週間以降に発症するといわれています。ホルモン分泌の急激な変化がみられる時期に、十分な睡眠がとれず育児という激務をこなすことが影響していると考えられます。休養や環境調整をしたうえで薬物療法を行います。
●双極性障害
うつ状態と躁状態(気分が高揚し、活動的になり、自信にあふれる)が交互に現れます。2つのタイプがあり、II型は診断が難しい面があります。うつ病として長期間治療を受けていた方が、実は双極性障害であることが少なくありません。うつ病とは治療法が異なりますので、うつ病がなかなか改善しない場合は双極性障害の鑑別が必要です。
うつ病は再発をくり返しやすいという特徴があります。症状が落ち着いてからもしばらくは薬物療法を継続し、ストレスが少ない生活を送ることが大切です。認知行動療法などの心理的な治療により、悲観的な考え方を修正していくことも有効です。
なかなか復職に踏み出せない方はまずはカウンセリングを受けてみませんか?復職支援プログラムは当ビル9Fにて行っております。
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